労働契約を理解する

労働契約を理解する

労働契約

労働契約は、経営者にとっても労働者にとっても重要な契約となります。
よって労働契約の締結はきちんと行う必要がありますが、そもそも労働契約の法的な内容について理解していなければ法律に違反しているような契約を結んでしまうかもしれません。
労働契約を簡単に言いますと「労務を提供して、その代償として賃金を受け取る約束をする契約」といったところでしょうか。
この労働契約を締結する際には、当事者である使用者と労働者が対等な立場で決定すべきものですが、実際には使用者が優位な立場にて契約するケースが多いことでしょう。
そこで労働基準法では、労働者を使用者から保護するために労働契約に際しての基準や規制を設けています。


労働契約を理解する記事一覧

労働基準法第13条では、以下のように労働基準法に違反した労働契約について規定しています。(労働基準法第13条)「この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による。」過去の判例において、夏場に10時間労働、冬場に12時間労働という労働時間の労働契約がありました。これは、労働基準法第33条の災害等に...

労働基準法第14条では契約期間等について規定しています。(労働基準法第14条第1項)「労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあっては、5年)を超える期間について締結してはならない。」@専門的な知識、技術又は経験(以下この号において「専門的知識等」という)であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に...

労働基準法第15条では、労働条件の明示について規定されています。(労働基準法第15条第1項)「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件の明示をしなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。」上記の厚生労働省令で定める方法とは、書面により明示するこ...

労働基準法第16条では、賠償予定の禁止について規定しています。(労働基準法第16条)「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」上記のように賠償予定を禁止していますが、使用者が実際に損害を受けた場合に、その損害を与えた労働者に対して損害賠償請求を行うことは当規定とは関係がなく自由とされています。また、「損害賠償の予定」に関する判例がありますので...

労働基準法第17条では、前借金相殺の禁止について規定しています。(労働基準法第17条)「使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。」前借金とは、雇入れ時の労働契約の締結の際、或いはその後に使用者から借金をして、その返済を賃金から行うことを約束する金銭のことをいいます。また以下の事項についても確認しておく必要があります。・労働者が使用者から人的信用に基づいて...

労働基準法第18条では、強制貯金について規定しています。(労働基準法第18条第1項)「使用者は、労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。」(労働基準法第18条第2項)「使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理しようとする場合においては、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働...

労働契約に関するトラブルは数多く、判例もありますので確認しておきましょう。【労働契約の成立】・当事者間に契約内容に関する具体的意思の合致は必要ではなく、ただ当該企業における労働者たる地位を取得する点について意思の合致があれば足りる。ただし、これに反する判例も存在する。・人材銀行の紹介による面接の結果、給料や出勤日について話合いがまとまった後に不採用となったとしても、すでに労働契約が成立していたもの...

労働契約に関するトラブルは数多く、判例もありますので確認しておきましょう。【採用内定】(採用内定の取消し)・採用内定の取消し事由は、内定当時知ることができず、また知ることが期待できない事実であって、これを理由に内定を取り消すことが社会通念上相当として是認できるものに限られる。(試用期間)・試用期間中の留保解約権に基づく解雇については、本採用後の通常の解雇の場合よりも広い範囲の自由が認められ、試用期...

労働契約に関するトラブルは数多く、判例もありますので確認しておきましょう。【労働契約の効力】(使用者の義務)・求人票記載の労働条件は、当事者間においてこれと異なる合意をするなどの事情がない限り、雇用契約の内容となる。・労働者の解雇後、雇用保険被保険者離職証明書の公共職業安定所への提出を遅延させ、離職事由を事実と異なる重責解雇として労働者が給付制限を受けたことは、使用者の不法行為である。(労働者の義...

労働契約に関するトラブルは数多く、判例もありますので確認しておきましょう。【労働契約の効力】(就労請求権)・労働者は使用者に対して就労請求権を有するかにつき、これを認めるものと、これを否定するものとがある。・使用者が労働者の就労を事前に拒否している場合に、労働者が賃金請求権を取得するためには、自ら客観的に就労の意思と能力を有していることを示し、労務提供不能が使用者の責に帰すべき事由によることを主張...

労働契約に関するトラブルは数多く、判例もありますので確認しておきましょう。【労働契約の効力】(配転・出向・転属){出向}・在籍出向者は、出向元と出向先の二重の労働契約が成立している。・就業規則に出向の根拠規定があり、労働協約に出向労働者の利益に配慮した詳細に規定が設けられている場合であって、身分関係が明確であり、出向期間の長期化をもって転籍と同視することができない場合においては、会社は従業員に対し...

労働契約に関するトラブルは数多く、判例もありますので確認しておきましょう。【労働契約の効力】(配転・出向・転属){転属・転籍}・転籍は、元の会社を退職して転籍先との間に新たに雇用契約を生ぜしめることである。・就業規則に「業務の都合により転勤・職場変更」を命ずる旨の規定があっても、職種を特定して採用した者については、本人の同意なくして異職種に転属させることはできない。・系列会社への転属は、転属先での...

労働契約に関するトラブルは数多く、判例もありますので確認しておきましょう。【労働契約の効力】(休職)・一般に休職処分とは、ある従業員に執務させることが不能であるかまたは適当でない事由が生じた場合に、従業員の地位は保有させながら執務のみを禁止させる処分であるから、通常はその事故が一時的であり、かつ事故の消滅によって当然に復職することが予定されているものであることはもちろん、休職期間中に休職事由が消滅...

労働契約に関するトラブルは数多く、判例もありますので確認しておきましょう。【労働契約の効力】(退職)・免職処分が有効に成立する以前には、退職願を撤回することは原則として(退職願の撤回が信義に反すると認められる特段の事情がない限り)自由である。・一旦妻が退職願を提出したが、その後その夫が妻の使者として右退職願撤回の意思表示をしたことが認められるので、、その後になされた依願退職の発令は違法となる。・人...

労働契約に関するトラブルは数多く、判例もありますので確認しておきましょう。【労働契約の効力】(退職)・免職処分が有効に成立する以前には、退職願を撤回することは原則として(退職願の撤回が信義に反すると認められる特段の事情がない限り)自由である。・一旦妻が退職願を提出したが、その後その夫が妻の使者として右退職願撤回の意思表示をしたことが認められるので、、その後になされた依願退職の発令は違法となる。・人...

契約期間に関するトラブルは数多く、判例もありますので確認しておきましょう。【契約期間の意義】・求人票記載の労働条件は、当事者間でこれと異なる別段の合意をするなど特段の事情がない限り雇用契約の内容となるが、雇用後半年を経過した時点で締結された雇用契約で、有期の雇用契約が合意されていれば、その合意に基づき契約更新が拒絶されてもやむを得ない。・「私は昭和46年4月1日より昭和47年3月31日まで勤務する...

契約期間に関するトラブルは数多く、判例もありますので確認しておきましょう。【短期契約の更新の効果】(継続的契約とならなかった例)・5回にわたる期間2ヶ月の契約の更新によって、労働契約が期間の定めのない契約に転化したり、あるいは期間の定めのない労働契約が存在する場合と実質的に異ならない関係が生じたということもできない。・1年契約を更新して数年にわたって継続勤務してきた私立大学の非常勤講師の雇用契約が...